何歳まで働きますか?
まず最初に、「何歳まで働きたいか」の質問で、最も多かった回答が「65歳(26%)」、続いて「60歳(23%)」、後は「働かない・働きなくない(17%)」、「70歳(15%)」、「75歳以上(10%)」、「50歳以下(9%)」となり、60歳以上も働きたいとの回答が74%と、半数を超えました。
さらに、「働きたい理由」の回答1位は「自分または家族の生活のため」、2位が「年金だけではお金が心配」、3位が「趣味を楽しむお金を持つため」、4位が「社会とつながりを持つため」、5位が「認知症予防」となり、お金に関する理由が、上位3つを占める中、「社会とつながりたい」という声も4位に入る結果に。
次に、定年後の働き方に関して、「定年後も同じ会社で雇用延長しますか? それとも他の仕事を選びますか?」の問いには、「同じ会社で延長(34%)」、「別の職種を探す(18%)」の回答があり、同じ会社で雇用延長したい人が多いことが分かりました。
現在の40、50代が社会に出た頃は、60歳で定年を迎えるのが当たり前。それ以降は現役を退いて、趣味のサークルに通ったり、孫育てを手伝うなどして、悠々自適な老後を過ごしていく生き方が一般的でしたが、今は「いつまで仕事を続けるのか」は、個々の判断に委ねられている時代。経済アナリストの坂本貴志さんは次のように分析します。
――今回のアンケート結果を見ても、「60歳以上も働きたい」と答えた人が半数を超えました。これからは、60代、70代になっても、働き続けることが当たり前になっていくのでしょうか?
「高齢期になっても働くことを、ほとんどの方が考えねばならない時代になっていると思います。その理由としては、第1に経済的な事情があげられます。アンケートの回答を見ても、「年金だけでは心配」「自分や家族の生活のため」という声が非常に多かった。公的年金の支給が65歳からに引き上げられていることもあり、当然のことだと言えるでしょう。
もうひとつ、60歳以降も働き続ける理由として、「働くことが好き」「社会とつながっていたい」という声もありました。これは非常に好ましいことだと思います。なぜならば、今後、日本の社会はますます少子高齢化が進み、労働人口が減っていく。その中で、働かない高齢者が増えていくと、社会全体がスムーズに機能しなくなってしまうのです」