高齢者が働かないと日本の経済が回らない

――それは、なぜですか?

「私たちの生活は誰かの労働によって成り立っています。通勤するときは鉄道会社の方にお世話になっているし、コンビニで買い物をするときには店員の方や、そこまで商品を運んでくれる物流ドライバーの方にもお世話になっている。

そう考えると、“お金があるから、もう働かなくていい”のではなく、社会の中で必要なサービスを受けて生きている以上、誰もが自分のできる範囲で何らかの仕事をして、社会を支えていく必要があるのです。女性も例外ではありません。

実際に、ここ10年ほどで、高齢者で働く女性が急増しています。高齢者が働かないと日本の経済が回っていかない時代になっている。そうした時代の変化を、誰もが意識してほしいと思います」

 

――とはいえ、60代以降は、若い頃のようにバリバリとは働けません。高齢者はどのような働き方をしたらよいのでしょうか?

「私がヒアリングした高齢の方にも、長時間パソコンを見ていると目が疲れて辛いという方や、生活習慣病を抱え、週に何日か通院が必要という方もいらっしゃいました。親御さんの介護を担っている方も少なくない。

じゃあ、そうした中で、どういう働き方をしたら社会に貢献できて、なおかつ自分にとって幸せな生活につながっていくのか。それには、年齢とともに『小さな仕事』にシフトしていくという考え方が大切になってきます」