【適当力・3】

今できないことは「ま、いっか」と棚に上げる

ストレスを感じていても、自分でそれを認められない。本音を隠して無理をするうちに、ストレスがどんどん溜まって身動きが取れなくなる考えグセの人も。その背景には、もしかしたら「家族はいつも仲よく助け合う」といった《理想》があるのかもしれません。もちろん人生に目標や理想は必要ですが、それにしばられて自分が苦しくなっては本末転倒でしょう。

このタイプに必要なのは、今は必要のないことを切り捨てたり、一時的に棚上げしたりする適当力。セルフトークで活用してほしいフレーズは「ま、いっか」。家族から理不尽な要求をされた時、ちゃんとやらなければいけないと思っていたことでも、「ま、いっか。適当に聞いて、適当にやろう」と考えてみる。じつは「適当に」と思ったほうが、ちゃんとできる時があることに気づけます。

結果的に、自分の理想である《家族仲よく》も守れたりする。誰に対してもちゃんとしたい、いい人と思われたい気持ちを客観的に見直し、できることとできないことを仕分けるのも、大切な能力なのです。

 

できないことを棚に上げてみよう

「母から毎日電話で父の愚痴を聞かされて憂うつ。
自分の用事もあるし、今日は電話に出ないと決めた」

母から毎日のように電話で父の愚痴を聞かされて憂うつ。自分の用事もあるし、今日は電話に出ないと決めた