真紀子さんには、実家の近くに住む会社経営者の兄がいる。その兄から2年前、「デイサービスから、母さんの銀行口座が凍結される前に成年後見人を立てて介護施設に入れたほうがいいと言われた。俺が後見人になるから」という連絡がきた。

「母の世話は、今や兄夫婦に頼るしかありませんので、お願いすることにしました。その後すぐに、母は民間の介護付き有料老人ホームに入居。母の預金も兄夫婦が管理しています」

 

緊急事態宣言で面会ができなくなって

現在、母は92歳。携帯電話もパソコンも使えないため、真紀子さんとの連絡手段は主に手紙だ。以前は簡単な返信が来ていたが、最近はそれすらも届かなくなった。

「最後に母に会ったのは2019年の12月です。その後は緊急事態宣言で面会ができなくなったので、様子がさっぱりわかりません。ただ、たまに兄嫁から『この前、お義母さんから真紀子さんの手紙を見せてもらったわよ』と言われるので、私から手紙が届いていることは理解しているようです。

そもそも兄嫁がマメに母の様子を知らせてくれればいいのですが、彼女から連絡がくるのは盆暮れに果物やお菓子を送った時だけ。『最近のお義母さんはね〜』と教えてくれるのはお礼がてらなんです。それが本当にじれったくて!」