「疲れない体」を手にするための姿勢

ポイントとなるのが、骨の位置を正しく知ること。背骨は、先ほどお話しした「体の中心にある」イメージ。首の骨は後ろから触ってゴリゴリする部分にあると思いがちですが、実際は食道のすぐ後ろで、かなり内側にあります。

それらの土台となるのが、座骨です。座ったときに椅子の面にふれる骨という意味で名前のついた、骨盤の一番下にある左右2つのとがった部分。これもお尻の側にあると誤解する人が多い。実際は左右の股の間にあり、座っていても立っていてもとがった部分が下を向いていると、上半身のバランスがうまく取れます。

この座骨の上に、背骨、首の骨を積み木のように重ね、一番上に頭をふんわりのせるイメージです。頭は5kg弱の重量がありますが、体の中心にある背骨と首の骨の上にバランスよくのっていれば、筋肉で支える必要ありません。筋肉が未発達の赤ちゃんも、骨のバランスだけで大きな頭を支えていますよね。これが基本の「疲れない姿勢」であり、それを応用しながら日常生活を送ることで、「疲れない体」を手にすることができるのです。

さらに、実際の体の構造とは違う思い込みによって、本来の体の能力を発揮できていない場合もあります。ムダな力が入りやすい家事別に、それらを快適にするコツを紹介しましょう。「こうすると前より断然ラク!」と実感することで、体がその動きを自然と覚えてくれるでしょう。私のレッスンでは、中高年はもちろん90歳を超えてからでも、体の使い方を見直して不調を克服した人が大勢います。皆さんも日常生活で試して、疲れない体を目指してください。