「お母さんが死んだら見るノート」を作成済
熟年離婚寸前だった大原夫妻は、「終活問題」に向き合うことによって思わぬ展開を迎えます。私自身は、2人の子を抱えるシングルマザーですから、30代ですでに相続などの事務的なことを記した「お母さんが死んだら見るノート」を作成し、ことあるごとに更新してきました。
でも最終的な身の振り方については保留状態。できる限り自宅で過ごしたいですし、娘は最後まで自分が面倒を見ると言ってくれていますが、迷惑はかけたくない。というのも、91 歳になる母は6年前に老人ホームに入所して快適に過ごしてはいるのですが、自分で食事の支度をしなくなった途端に認知症が進んでしまい……。私自身の最後は自宅か施設か、悩ましい問題です。
千賀子役を通じて、こじれた家族関係を修復することも終活のひとつなのだなと痛感しました。わが家にしても摩擦はあります。親子げんかをした時は、台所に飾っている家族写真が心の支え。
子どもたちが幼い頃に旅先で撮った、笑顔あふれる写真を眺めながら「こんなに楽しい時間があったのだから大丈夫。きっとわかり合える」って自分に言い聞かせるのです。たとえどんなにこんがらがってしまっても、共有している幸せな記憶、そしてきっかけさえあれば解きほぐせるのではないでしょうか。
シングルの身としては、夫婦で歳を重ね、ワインを飲みながら語り合うなんて素敵だわぁ、と夢見ることもあります。でも、お気に入りのソファーを誰かに譲る気はないし……、やっぱり一人が楽ですね。(笑)