風が通り抜けないのは屋外でも室内でも、植物にとっていい環境ではありません。風によって植物が揺れること、土が乾くことが大事なんです。動かされることで根を伸ばして踏ん張ろうとするし、土が乾けば水を求めて根が伸びていく。植物は動けない存在だからこそ「風」の刺激を必要としているのです。人間の健康にとって大切だと言われる「適度な運動」が、植物にとっての「風」なのかもしれません。

そして、「市場に苗が多く出回る時期」が「育てやすい時期」とは限らないことも覚えておいてください。

例えばパクチーは南方の料理に使われるイメージからか夏に育て始める方が多いのですが、日本の暑さが厳しくなっているため、旺盛に育つのは実は秋なんです。

秋に育つパクチー(写真提供:写真AC)

気候も年々変化していますし、ご家庭の環境も違います。マニュアル通りにはいかないこともあるでしょうし、一所懸命育てても悲しい別れもあります。

実際僕も良かれと思って自分でわざわざブレンドした土に植えて枯らしてしまう、なんていう経験をたくさんしてきました。だからこそうまく行った時の喜びはひとしおです。いろんな試行錯誤を重ねて、自分なりの答えを導き出す喜びを味わっていただきたいですね。

 

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