(撮影=山下みどり)『料理家 村上祥子式 78歳のひとり暮らし』より
バナナ黒酢やたまねぎ氷、にんたまジャムなど、開発する健康食がたびたび人気を集めてきた村上祥子さん。健康に生きるため、「食べる」ことを第一に考えるキャリア50年の料理研究家は、家事にどう向き合っているのでしょうか(構成=村瀬素子 撮影=山下みどり『料理家 村上祥子式 78歳のひとり暮らし』より)

タイマーをかけて「終わり」をつくる

福岡と東京にキッチンスタジオを持ち、2拠点を行き来しながら忙しい日々を過ごしてきました。6年前に夫が亡くなり、翌年、東京のスタジオは畳みましたが、福岡の自宅2階に設けたスタジオで料理教室などを開きながら、79歳になったいまも、相変わらず回遊魚のように動き回っています。

私、24時間を3つに区切って考えているんです。8時間は睡眠、8時間は仕事、残りの8時間はプライベート。その時間内で収まるように予定を組むと、わかりやすいし、スッキリしますでしょう。

朝はだいたい5時半に起きます。仕事に出るまでに、どうしても2時間半は必要なんですね。どのようなルーティーンかと言いますと、前日、浴室に干した洗濯物を畳み、ミルクティーを2杯飲みます。テレビをつけて最新のニュースを一通り確認したら、掃除へ。

掃除は、4年前に息子夫婦がプレゼントしてくれたロボット掃除機を使うので、楽ちん。《彼》が取り切れない汚れは、私が雑巾で拭いてまわります。

終わったら、健康のためにトランポリンを100回跳んで、お風呂。就寝前の入浴のほうがよい、という意見もあるようですが、私にとって朝風呂は、20代からの習慣。体温が上がった状態で朝食をしっかり摂ると、活力が湧いて一日中タフに動ける気がするのです。

メイクをし、服を着替えたら、7時半ころに朝食を摂ります。その後は2階のスタジオに入り、夕方に仕事が終わるまで、自宅には戻りません。やり残したことがあっても、仕事とプライベートをきっちり分けて、気持ちを切り替えるようにしています。

コロナ禍で、これまで以上に家事疲れを感じている方が多いようですが、家事も仕事のひとつと割り切って、時間で区切ってはどうでしょうか。家事は終わりがないものなので、自分で「終わり」をつくるしかないと私は思います。