『彩り冷やし鉢』(撮影:南雲保夫)
『婦人公論』(6月8日号)の料理連載「ヘルシーキッチン」では、「初夏に愉しむだしたっぷりの本格和食」を特集! 難しそうに見える和食ですが、味つけの基本となる「だし」さえあれば、意外と簡単に作ることができます。昆布と鰹節でひいた「だし」を活用した本格和食を、久保香菜子さんに習います。(料理=久保香菜子 撮影=南雲保夫 スタイリング・構成=関澤真紀子)

だしがちゃんとしていると、
おいしい和食が簡単に作れます

和食を作るとき、だしはどうしていますか。手軽にだしを作れる市販品も豊富ですが、昆布と削り鰹できちんとひいただしがあると、ほぼほぼ料理をしなくても、おいしい和食が食べられます。特に野菜は、だしによって素材そのものの味が引き出され、本当においしくなる。さらには、旨みたっぷりのだしを使うことで、塩分を控えても風味豊かな味わいに仕上がります。

近年、昆布の旨みは60℃で1時間煮出すと最大限引き出せることが大学などの研究からわかってきました。とはいえ、これを家庭で行うのは容易ではありません。今回、昆布を水に長めに浸してからじわじわと加熱する方法をご紹介しましたが、水だしの時間が取れなければ最初から弱火にかけてゆっくり加熱し、鍋肌に泡がついてしばらくしたら昆布を取り出す方法でもかまいません。厳密に「ねばならぬ」でがんじがらめになるよりも、まずはちゃんとだしを取ってほしい、と思います。

削り鰹を買うときは、裏を見て枯節の表示のあるものを買う、昆布は何cmといった長さではなく重さを量って使う、─といったことのほうが、ひき方のあれこれよりも大事! です。

今回のレシピを教えてくれる久保香菜子さん