38歳で結婚。プロポーズの時に告げたら…

そんな私が夫と結婚したのは、38歳の時でした。つき合い始めたら一気にこれは結婚でしょう、という雰囲気に。でも、どういうテンションで、どんなタイミングで「実は私、子どもができないかも」と言おうかと頃合いを見計らっていたら、正式にプロポーズされました。

「今言わなきゃ」と思い、その場で伝えると、彼は「あ、そうなんだ。じゃ、2人で考えていこうよ」と。何事もポジティブに受け止める人ではあるのですが、あまりに軽やかなので、「この人ホントにわかったのかな」とちょっと疑いましたよ。(笑)

結婚を急いだ理由は、日本テレビの政治記者である彼のニューヨーク支局への転勤がすでに決まっていたからです。おかげでトトトーンといいテンポで結婚につき進むことができてよかった。夫が一足先に、私も1年後に退職して渡米しました。

特別養子縁組については、結婚当初から2人で話をしていました。私は、高校の保健体育の授業で制度について教わったことを記憶していましたし、さらに、入社直後に養子縁組をした若い夫婦を追ったドキュメンタリー番組を観て、自分のなかに養子縁組という選択肢が早いうちからあったのです。

一方夫にも、子どもがほしいという強い思いが。だから、私が産めないのなら養子縁組をしましょうというところまでは、日本にいる頃から確認し合っていました。そして、ニューヨークで暮らし始めてからは民間の斡旋団体のホームページなどを見てリサーチを重ね、18年に帰国するや、いくつかの団体の説明会に足を運び始めたのです。

実は、行動はしながらも、この時期の私の心はかなり揺れていました。うちのポジティブハズバンドは、「子どもはかわいい! ほしい!」という感じでしたが、私はちょっと立ち止まってしまった。