イメージ(写真提供:写真AC)

するとどうだ。まず、その気候の素晴らしさに感動するではないか。暑くもなく、寒くもなく、風のそよぎも申し分ない。

二駅先の公園を目的地に決め、住宅街をあみだくじのようにジグザグと抜ける。立派な邸宅の手入れされた庭のバラ。路地裏の家の玄関先をにぎやかしている年季の入った鉢植えのアロエ。床屋さんの二階のベランダには鳥の餌やり場があるようで、大小さまざまな鳥が出たり入ったりしている。ご近所からの苦情は大丈夫か。

線路際に出ると、あちこちの土留めの隙間からカラスノエンドウが勢いよくその蔓を伸ばしている。手押し車に詰め込まれた青い帽子の保育園児らとすれ違う。歩く園児と手を繋ぎ、両手のふさがった保育士さんたちのカニ歩きが大変そうだ。

ややキツい坂道を登りきると、公園の緑が見えてくる。公園前のいつも行列のカフェが今日は空いている。テイクアウトのコーヒーを買ってから、目的地の公園のベンチに到着だ。ここは私が散歩の拠り所としているポイントのひとつ。池や野草園もあって、夏は蚊の襲来が難点だが、大木も多く、小さな森のような雰囲気が気に入っている。

何度も通う公園だけれど、何も期待しないので、その日の鳥たちの声の違いに耳を澄ましたり、木の緑が豊かになっていくのを眺めているだけで、いちいち小さな感動が湧く。やっぱり散歩には、このような休憩ポイントは必要だ。ちょっとでも腰かけて外界と繋がっている実感を持ちたい。