雨の日の不調は 「気圧の変化」が原因!?

さらに、天気も片頭痛を誘発する一因になるそう。

「私たちは平均気圧1013ヘクトパスカルという環境下で生活していますが、そこから5ヘクトパスカル下がる前日に頭痛が起こることが多いと報告されています」

外気圧が下がることで、体が膨張してしまうのを防ごうと、交感神経が刺激されて痛みが出るのだそう。

「気圧が下がるのは雨の日の前後に限りません。晴れていても、台風が近づいているときは気圧が下がるので、不調を感じる人が増えます。また、『高湿度』『高温度』も悪影響を及ぼす要因。ですから、この3つの条件が重なる梅雨時は、特に痛みを起こす危険が増すことになるのです」

 

 

コロナ対策で四六時中マスクを手放せないご時世。マスクの中は、高湿度、高温度になりがちです。

「人のいないところでは適度にマスクを外し、外の空気を吸い込んでリフレッシュするようにしましょう。気圧の変化ばかりは対策のしようがありませんが、最近では気圧を確認できるアプリなどもあります。こうしたものを活用することで、不調に備えるとよいでしょう」

そのほかにも、下に示したように痛みの引き金はさまざまです。予防のためには、何が痛みのきっかけになっているかを把握することが肝心、と丹羽先生。

 

《片頭痛を招く誘引例》

 女性ホルモンの変動
 ストレス、ストレスからの解放
 睡眠不足、寝すぎ
 気候・気圧の変化
 人混みや騒音、まぶしい光、強いにおい
 空腹
 特定の飲食物
  ◎ 赤ワイン、チョコレート、チーズなどの発酵食品に含まれるチラミン
  ◎ 食肉加工製品などに含まれる亜硝酸塩
  ◎ うま味調味料などに含まれるグルタミン酸ナトリウム
  ◎ ノンカロリー飲料に含まれる人工甘味料のアスパルテーム
  ◎ コーヒーやお茶などカフェインの多量摂取
      など

 

「ぜひ習慣にしてほしいのが、どんなときに痛みが出たのかを記録すること。『頭痛日記』をつけましょう。痛みの原因を客観的に把握する助けになります。原因が多いほど、頭痛を起こす頻度が増し、症状も重くなるといえますから、生活のなかでなるべく原因を取り除く工夫が大切です」

次からは、鎮痛薬の上手な使い方と予防のために心がけたい生活習慣を紹介します。