家庭医療専門医の研修を受けているか

ではどうすれば、よいかかりつけ医を見つけることができるのか。探すときのいちばんのポイントは、自分の健康や体調に関する不安を何でも相談できるかということです。その点から考えれば、家庭医療専門医(家庭医)の研修を受けている医師がベストでしょう。

家庭医というのは、風邪、頭痛、腹痛、腰痛などの「普通の人がよくかかる病気」なら、幅広く診察・治療できる医師のこと。私自身もそうですが、専門の科に特化していないので、「何科を受診していいかわからない」というときでも気軽に相談しやすいのです。

ただ、日本で家庭医の育成が始まったのは2010年からなので、現在、診療を行っている家庭医は全国で約1000人。今後、もっと増えてくるはずですが、現在はまだ少数にすぎません。

では、何科の病院を訪ねたらいいかと言えば、まずは内科。それも、「内科・胃腸内科」「内科・循環器内科」といった細かな専門分野を掲げているところではなく、ざっくり「内科」と窓口の広い看板を掲げているクリニックのほうが幅広い症状に対応してくれそうです。特に、小児科を併設している内科は、赤ちゃんからお年寄りまで幅広く診てくれる家庭医の色合いが強いと言えるでしょう。

もうひとつ、訪問診療を行っているクリニックはポイントが高い。それこそ頭痛から腹痛、腰痛、発熱など、さまざまな症状を訴える患者さんに幅広く対応しているからです。また、医師や看護師のほかにソーシャルワーカーや介護相談員など、ひとり暮らしの患者さんを支えるための専門スタッフがいる場合が多い。今すぐ必要はないけれど、後々のことを考えれば、訪問診療を行っている医師をかかりつけ医にしておいたほうがひとり暮らしの方は安心でしょう。