まずは風邪などの軽い症状のときに、1度受診を
また万が一、深刻な病気になってしまった際に、より高度な治療を行う専門病院につないでくれるパイプや知識を持っているかどうかも重要です。
もちろん、気軽に通える場所にあることも大切です。いくらよい先生、よいクリニックでも、お腹が痛いときに、1時間以上も電車に乗って受診するのはつらい。かかりつけ医とは長い付き合いになるわけですから、徒歩や自転車で通院できる場所、タクシーならワンメーターか1000円以内の料金で通える範囲がいいですね。
ここぞというところを見つけたら、まずは風邪などの軽い症状のときに、1度受診してみることをおすすめします。あまり病気をしないという方は、地域の無料健診を受けるときなどに、気になるクリニックを訪ねてみましょう。
近頃は、インターネットに病院の評判も載っていますが、ネットの口コミはいいも悪いも極端なものが多く、人それぞれの好みもある。近所の知人と「あの病院はどう?」と直接話す機会があれば、情報としてはそのほうが有効かもしれません。でもまずは自分の目で確かめに行くことをおすすめします。
そして、この先生なら大丈夫そうだと思ったら、何回か通ってみる。月に1度、降圧剤などを処方してもらう必要があるならば、少なくとも半年間。なぜなら、医師にとっても、初診の患者さんと完璧にコミュニケーションを取るのは非常に難しい。
私の経験から言っても、月に1回通ってくる患者さんなら、3ヵ月から半年はたたないと、その方と本当に打ち解けることはできません。お互いに冗談を言い合えるような信頼関係が築けて初めて、その患者さんにとって最適な治療を提案できる。1度受診しただけで、あちこちのクリニックを転々とする「ドクターショッピング」を繰り返しても、自分に合うかかりつけ医を見つけるのは難しいと思います。