ダイヤにルビー、10万円のスーツも

彼女は教育にも熱心で、幼児のうちから何十万もする学習教材を揃えていました。子どもがピアノを習い始めると、ピアノや発表会のためのドレスを購入。同級生が家を建てると聞けば火がついて、自分も大がかりなリフォームに着手。1階にガレージとキッチン、バス、トイレ、和室が4間、2階に和室2間と洋室3間の大豪邸に。さらに、見たこともない大型犬を飼い始めました。

さらにおしゃれも大好きで、ダイヤやルビー、サファイアのジュエリーをたくさん持っていますし、1着10万円はするスーツを着ています。それくらいのお給料はもらっていたのだと思いますが、それにしても思いきりと気前がよかった。

子どもがピアノに飽きてやめてしまうと、「よかったらピアノいらない? あげるよ」。服やアクセサリーを私が欲しがると、「まあ、だいぶ使ったし、いいよ」と言って譲ってくれるのです。

子どもの着なくなった服やおもちゃ、絵本、そして夫にはゴルフセットまで譲ってくれました。あまりにもらいすぎて悪いので、お金を払おうとすると、「家がきれいになったから、お金なんていらないわ」と決して受け取りません。

彼女はたくさん買い物をするけれど、使わなくなったらすぐに処分する人なのでした。だから家の中はきちんと整理整頓されていて、巷で騒がれている「ごみ屋敷」とは真逆の位置にいる人です。

従姉がこんな性格になったのは、生い立ちに理由があると思っています。彼女が幼稚園の時に両親が離婚。私の祖母でもあるおばあちゃんに育てられました。おばあちゃんは明治生まれで、日に3回掃除をするくらいきれい好き。従姉の母親代わりとして、どこに出しても恥ずかしくないようにと厳しく彼女をしつけたのです。

従姉は口に出して言ったことはありませんが、さまざまなことで我慢をしてきたのだと思います。自分の自由にできるお金を稼ぐようになって、欲しいものを買えることが嬉しかったのでしょう。