70代の私に「懸垂10回くらいはできるように」
こうしたちょっとハードな運動を始めたきっかけは、2年前、『ピピン』というミュージカルで空中ブランコでのアクロバティックな演技に挑戦したからです。
若い頃からダンスを続け、50代からは水泳にも取り組んで体は鍛えていましたが、空中で美しい姿勢を保つためにはさらに筋力が必要でした。演出家も、懸垂10回くらいはできるようにしておいて、と言うの。懸垂って若い男性でも数回がせいぜいでしょう。それを70代の老婆にやれ、と。(笑)
そんな理由でスポーツジムに通い始めたのですが、コロナ禍で行けなくなり、前述のようなスタイルに。自己流でも、日々続けていると体の変化を実感するんですよ。筋力、体力がつくとともに疲れにくくなりました。鍛えれば何歳になっても体は応えてくれるんです。
公園では、ラジオ体操終わりのマダムたちと親しくなって。私と同年代の人たちで、「ミエさんみたいに元気に動けるようになりたい」と雲梯やランニングに参加するようになったんです。さながら、ミエ体操塾。(笑)
最初、マダムたちは雲梯にぶら下がることもできない、走っても私についてこられない状態でした。当然ですよ、私は何十年も歌って踊って、コツコツ運動してきたんだから。すぐに私と同じように動けるわけがないんです。でもね、毎日続けていると少しずつ上達していく。「ぶら下がることができた!」って喜ぶ顔を見ると、私も嬉しくなります。
以前の自分より体がよく動くようになれば楽しいし、頑張った自分、健康になった自分に自信が持てるんです。すると、もっとほかのことにも挑戦してみようと、やりたいことが芋づる式に増えていくのではないかと思います。