本上 一つは、衣類やおもちゃのリユース。特に子どもの服はすぐサイズが合わなくなってしまうので、親戚の子に回したり、自治体のリユースサービスを利用したり。友だちから制服のお下がりをいただくこともよくあります。捨てるのではなく誰かに使ってもらうと思うと、普段から丁寧に扱うようになりました。
蟹江 リユースやリサイクルは、ゴミを減らすことにつながりますね。
本上 それと、夫の実家にある小さな畑で無農薬の野菜を作っています。冬は大根や春菊。春はじゃがいも。自分たちが食べる分だけなので、多少虫がついても気にしません(笑)。子どもたちと「この青虫は何の幼虫?」といった話をし、小さな種が大きな大根になるまでにどれくらいの時間と手間がかかるのかを体感しつつ、育てる喜びも味わっています。
蟹江 自分の手で育てた野菜は、ムダにすることなく、ちゃんと使い切ろうと思いますよね。
本上 はい、皮も葉も。
子ども世代には身近な目標だった
蟹江 17の目標を見ると、どれもちょっと抽象的と感じる人がいるかもしれません。2030年までに「貧困をなくそう」「人や国の不平等をなくそう」「持続可能なエネルギーをみんなが使えるようにしよう」といったゴールだけが設定されていて、そこに到達する道筋は示されていない。でも、だからこそ、どういう方法でゴールに到達するかは各自が自由な発想で考えられるのです。
本上 娘の中学校では、17の目標のうち一つを選んで、今から20年後に自分たちの生活がどうなっているかをグループごとに話し合って、発表したそうです。ただおもしろいのが、それが「社会」ではなく、なんと「英語」の授業だったこと。