本上まなみさん(左)と蟹江憲史さん(右)(撮影:大河内禎)
地球規模の大きな目標を、私たちは日常生活のなかでどのように気をつければいいのでしょうか。第二子出産を機に自然豊かな場所に移住して子育てをしている本上まなみさんと、第一線の研究者である蟹江憲史さんが語り合いました(構成=村瀬素子 撮影=大河内禎)

《第一人者が詳しく教える》SDGsはやわかり

SDGsの17の目標は暮らしとつながっているものばかり

本上 先日、娘が通う中学校の図書室に行ったら、一番目立つ場所にSDGsのコーナーがあったんです。関連本が並んでいて、その中には蟹江先生のご著書も。何冊か借りて読みました。

蟹江 それはうれしい。小中学校などの教育現場では、すでにSDGsが浸透していますね。大人世代のほうが遅れているかもしれない。SDGsやサステナブルという言葉は耳にするけど、それが何なのかよく知らないという人がまだ少なくないようです。本上さんはもともと環境問題に関心が高いと聞きました。東京から京都に移住されたとか?

本上 8年前、息子が生まれたタイミングで京都に引っ越しました。私自身、子どもの頃は野山を駆けまわり、虫をつかまえ、自然のなかで育ってきたので、同じような環境で子どもを育てたいと思ったのが移住の理由の一つです。

蟹江 コロナ禍でテレワークが普及し、最近は都心から郊外への移住という動きが増えています。その先駆けですね。

本上 自然に親しむ生活をしているとおのずと環境問題が気になりますし、子どもを生んだことで貧困問題にも関心を持つようになりました。SDGsの17の目標って、暮らしとつながっているものばかり。普段の生活で実践していることが多いような気がします。

蟹江 たとえばどんなことを?