無理のない範囲で続けたい
本上 私は俳優をしていますが、テレビ番組や映画を制作するにはエネルギーをたくさん消費します。でも、これはなくてもよいとは言えない。一観客としても映画やコンサートは生きる楽しみの一つなのです。
蟹江 ゴミを出すな、電気をムダに使うな、野菜はすべて有機、とがんばりすぎると仙人みたいな生活になってしまう(笑)。だからまずは自分ができる範囲でいいんです。重要なのは続けていくこと。
本上 実は私、社会のために何かできることをしたいと思いつつ、育児に追われて動けないのがストレスだったので、10年ほど前から「寄付で応援」に気持ちを切り替えました。自分が働いて得た報酬のなかから、発展途上国の子どもの教育、医療、食料支援に使ってもらおうと、世界で活動している団体に少しずつ寄付をしています。
蟹江 いいですね。「身の丈に合った」というと語弊があるかもしれませんが、本上さんには本上さんのできることがあり、読者のみなさんにもそれぞれできることが必ずあるはずです。
本上 そうですね。私も今後の収入次第で金額も増減するとは思いますが、その都度考えようと。無理のない範囲で続けたいです。
蟹江 都会に住む人が畑を借りて無農薬野菜を作るのは大変だけど、近くに畑がある人ならすぐ始められます。毎日ペットボトルのお茶を飲む習慣がある人なら、2日に1回は水筒を持参すれば、プラスチックの消費は半減する。半減ってすごくないですか? 一人ひとりができることをコツコツやっていけば、大きな効果につながっていきます。