イラスト:毛利みき
早朝からの畑仕事にラジオ体操、体操教室に歌の教室。スケジュールはびっしりでやたらとエネルギッシュな88歳の舅は自分ルール優先で融通が利かない。マイペースでいること、好奇心旺盛であることはどうやら健康長寿の秘訣のようで…。元気でいてくれるのはいいけれど、振り回される家族は大変です――

毎朝5時に始まるルーティーン

今年88歳の米寿を迎えるわが家の舅は、年々その元気さを増している。結婚して25年以上同居しているが、舅の老化のスピードが遅すぎて、こちらが先に老いているような気がするほどだ。

私たちの結婚の前年に還暦を迎えた舅は、100kmマラソンを完走。その後トライアスロンに挑戦すべくロードバイクを購入したが、膝を壊してドクターストップがかかり参加を断念した。だが自転車は乗ってもいいとのことで、今でもママチャリには日常的に乗っている。運動だけでも人並み以上だが、そのほかにも人並み以上のことが満載だ。

毎日のルーティーンを紹介すると、夏場は5時に起床して畑の見回りと収穫。6時半からラジオ体操、仏壇の花の水を替え、線香をあげてから自分で準備した朝食をとる。食後は新聞に目を通し、注目記事に付箋を貼るのだが、この付箋、何のためなのかは不明。

洗濯も自分専用に洗濯機を回し、洗剤や柔軟剤もお気に入りのものを揃えている。しかしなぜか下着の洗濯は嫁の仕事と思っているらしく、私に回してくる。やりたくないことはしないのだ。

そして日曜でも早朝でもお構いなく、自分のしたい時に掃除機をかけ始める。せめて週末の早朝は静かに寝せてもらえませんかね、お義父さん。

それから昼まで畑や庭仕事。昼を食べ昼寝をした後は、再び日が暮れるまで畑にいる。自分の決めたノルマがあり、それをこなすまでは誰が呼びに行っても終わりにしない。