そこからだんだんレーズン入れてみようとか、黒砂糖にしてみようとか始まって、楽しいこと楽しいこと。研究したり工夫するのが好きなんです。でも、失敗すると親はもったいないと言うから、自分のお小遣い使って材料を買ったりしていました。

だからポッドキャストでもお話ししましたけど、どうしてもグラタンが食べたくなったのに小麦粉がなかった時は、そうめんをミキサーで砕いて小麦粉の代わりにしてみたり。料理は科学実験みたいなもの。レシピの材料がなければ替わりのもので試したり、自由でいいと思うんです。

 

上京してきた両親にも料理を振る舞って

母も父も、料理にうるさいほうじゃなかったのに、なぜか好きになったんですよね。子どもの頃、父が一度だけ料理を作ってくれた記憶があるんですけど「これ、原始時代の料理?!」っていうものだった(笑)。「何これ?!」と言ったら、それから二度と作ってくれなくなってしまいました(笑)。九州男児ですから「男は料理なんかしないでいいんだ」と言っていましたけど、そんなのはつまらないと思って、せっせと挑戦を続けていました。

今では、上京してきた時に家で手料理を振る舞うと、とても喜んで食べてくれます。豚しゃぶが好きで、ポン酢ではなく、手作りの付けダレで食べるしゃぶしゃぶを作ることが多いですね。鰹節で出汁をとって、醤油や酒、みりんを自分で配合。それを温めて、柚子胡椒とたっぷりのネギを入れて。具材は豚のほか、豆腐と水菜とレタスなどシンプルなもので、軽く昆布だしにくぐらせていただきます。

さっぱりしたい日の、秘伝のごまダレと冷しゃぶ