「忙しく頑張っている若い方や、料理が苦手な方にも気軽に料理を楽しんでもらいたいという思いで、毎回レシピを選んでいます」(撮影◎初沢亜利)
新型コロナの影響でおうち時間が増え、自宅で料理をする時間が増えたという方も多いのではないでしょうか? 毎日となると、献立を考えるのもひと苦労。そんなときに役に立つ「聴く料理番組」が始まりました。次々と自身をアップデートし続ける氷川さんが仕掛ける、新しい形でのエンターテイメント体験。音声だからこそ、自宅に招かれたようなアットホームな空気が流れています。そんな氷川さんに、料理にかける思いやこだわりについて伺いました。(構成=岡宗真由子 撮影=初沢亜利)

料理は化学実験。自由でいいと思うんです

――大の料理好きで知られる氷川きよしさん初のポッドキャスト料理番組『氷川きよし kiiのおかえりごはん』が、オーディオストリーミングサービス「Spotify」で配信されています。氷川さんがリアルに料理をする音や作り方のコツ、日々のつぶやきなどを聴くことができるこの番組。ポッドキャストをテーマにしたドラマ『お耳に合いましたら。』(テレビ東京)の主人公・美園が「氷川きよしの大ファンで愛聴している」という設定でドラマの中にも登場しています。

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番組では、遅く帰ってきた日でもサッと作れるものを紹介しています。リーズナブルで美味しく、フライパン一つでできるレシピも。忙しく頑張っている若い方や、料理が苦手な方にも気軽に料理を楽しんでもらいたいという思いで、毎回レシピを選んでいます。

スタジオではキッチンにマイクをいくつか仕込んで、実際に料理をしている時の音を拾って、そのまま使っています。野菜を切るザクザクという音、木のまな板に響く包丁のトントントンという音などは聴いていて気持ちがいいですよね。袋を開けるパリパリっていう音までちゃんと拾えていて驚きました。

料理に目覚めたのは、小学4年生の調理実習の時。母が調子の悪い時があって、学校で習ったオムレツを作ってあげたんです。それからいろんな料理に挑戦しました。お菓子も作りたくなって蒸しパンにチャレンジしたんですけど、当時家にはちゃんとした道具がなかった。「じゃあ、ご飯が炊ける炊飯器はどうだろう?」って自分で考えて。

でも、1回目にカチャってレバーが上がった段階では、まだ火が通っていない。2~3回炊飯ボタン押すことで、やっと中まで蒸し上がることに気がつきました。配合を変えたり、試行錯誤を繰り返して、初めてフワフワの蒸しパンができた時はもう感動しちゃって。小5の時かな。