7月半ば、熱海市の災害現場に、重機を入れ行方不明者を捜索する様子(写真提供:読売新聞社)

経験より今、懸命な対処を

危険を察知する能力がどんどん衰えているのにその自覚がないとしたら、どうやって災害から身を守ればいいのか。防災意識を高めることがひとつの答えとなるでしょう。

私はふだんから1週間分の非常食を備蓄していますし、ソーラー式発電機やバーベキューコンロなども準備しています。

今の時代、スマートフォンなど情報を得るツールは必需品。手回し充電器は準備していますが、停電となれば、緊急以外の連絡はなるべく控え、電池を温存する工夫も必要でしょう。

さらに、いつどんな災害に遭うかわからない現代では、いろいろなリスク対策が必須です。2階で寝ようか、東京に避難しようかと私が段階的な避難を考えたように、複数のパターンを想定しておくと安心感につながります。

わが家にはペットがいますが、ペット可の避難所はまだ少ないでしょう。ですから、車の中で避難生活ができるようにしておかなくてはと考えているところです。ペットがいる人は、ペット連れで入れる避難所や、一時的に預かってくれるところを探しておくことも必要でしょう。

「いつどんな災害に遭うかわからない現代では、いろいろなリスク対策が必須です。複数のパターンを想定しておくと安心感につながります」

また、被災直後はやはり地域住民の助け合いが重要です。私は熱海に居を移して1年あまりですが、それより前からお祭に参加したり、飲食店など近所のお店に通ったりして地元の方と交流してきました。

おかげで今回も、報道より早く地域の情報をメールで教えてもらったりもしました。ふだんから町内会活動やお祭などコミュニティに積極的に関わって人脈を作ることは、防災の一環になるのではないでしょうか。

*8月24日発売『婦人公論』9月14日号に、インタビュー全文を掲載いたします。

2021年 9月 9日(木) 東京オペラシティコンサートホール

【感染症に立ち向かう大村智記念研究所募金(イベルメクチン)支援 チャリティー・ライブ配信公演】
マタイ受難曲 ~山田実 訳・編曲 口語日本語版 ~ 未来のために忘れてはならないこと』

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