撮影:大河内禎
長年にわたりさまざまな苦しみを抱えた人びとに向き合ってきたスピリチュアリストの江原啓之さん。悩みから自由になるには、たましいの視点という、言わば「生きる哲学」が鍵を握っていると言います。

自分のことを一番理解しているのは

人はどんなことに悩むのでしょう。職場のトラブル、あるいは夫や子ども、義理の家族との関係かもしれません。独身の人ならば孤独感に苛まれることもあるでしょうし、長寿社会になった現代だからこそ、親の介護や老後資金の乏しさが心配になることもあります。

現在の問題だけでなく、過去の出来事をいまだにひきずっていたり、まだ見ぬ未来への不安が膨らんだりすることも。現在、過去、未来、それぞれに悩みの種があり、つらさや怒り、落ち込みを感じてしまうのが、現世に生きる人の姿なのかもしれません。

そんなふうに悩みを抱えてしまいがちなことを“悩みグセ”と表現するならば、その癖を直す方法はあります。それは、たましいの視点を持つこと。この場合は、「自己憐憫をやめる」「依存心を持たない」「責任主体で生きる」という3つの視点です。逆にこの3つの視点で考え、行動できていないことが、悩みを深める原因といっても過言ではありません。

今、あなたが何かに悩んでいるなら、「自己憐憫」「依存心」「責任主体」という3つのキーワードでその悩みを分析し、見方を少しだけ変えていきましょう。

1つ目のキーワードから、見ていきます。あなたは悩んでいるとき、「自分はなんてかわいそうなんだ」「私はなんて不幸なんだ」と思っていませんか? その気持ちこそが、“自己憐憫”です。

さらに、自己憐憫に陥ってしまう人は、「誰かにこの気持ちを理解してほしい」という“承認欲求”も抱きがち。そして共感してもらえないと、「こんなに苦しいのに、なぜわかってもらえないのか」と落ち込みます。

自己憐憫に陥る人、承認欲求が強い人は、周りの意見に振り回されやすく、自分にとって軸となる考え方や進みたい道を見失いやすい。

悩みのスパイラルにハマったときはこう考えてみてください。「自分を哀れんだところで1円の得にもならない。事態はまったく変わらないし、悩みに費やす時間がもったいない!」と。