親にかかる介護費は親の貯金から払ってもらうべき

父の生前から対策をしていれば、恐らく相続税を払わずにすんだと思います。父を引き取ってからの11年間にかかった費用は、介護した妻の人件費も合わせると5000万円ぐらいでしょうか。ただ、それを証明するものは何もなく、はっきりした数字は出せません。父には十分な貯金があったのだから、介護費用を父が支払っていれば、そのぶん相続財産が減り、基礎控除内に収まったはずです。

私の反省をもとにみなさんにお伝えしたいのは、大原則として、親にかかる生活費や介護費は親の貯金や年金から払ってもらうべきだということ。自分が立て替えた場合は記録しておき、精算する。

うちの親はそんなにお金を持っていないから関係ないと思うかもしれませんが、15年に相続税の基礎控除が4割引き下げられ、課税対象が大きく広がりました。相続人が2人の例でいうと、以前は7000万円だった基礎控除が4200万円に。持ち家で、老後資金を2000万円ぐらい準備している人なら超えてしまう金額です。

もう1つ、相続で地獄を見るのが遺産分割。うちの場合、法律上は私と弟で2分の1ずつです。弟は、それでいいと言ってきました。

でも、私と妻、そして息子たちは、父の世話をしたし、お金も使った。「それで折半はおかしいよね?」と私は反論。弟も私の言い分をわかっているのですが、「いいじゃん、兄貴は稼いでいるんだから」と(笑)。父を介護した妻も、釈然としない様子ではありましたが、もともとお金には興味がない人なので報酬を要求しなかったし、弟と私はもともと仲がよく、揉めたくなかったので折半で合意しました。