金融資産リストのデータを保存して

今は、私自身が子どもたちに迷惑をかけないように終活の準備を始めています。父の相続で私が一番困ったのは、財産のありかが不明だったこと。だから、どこの金融機関にいくらあるのかがひと目でわかるように、財産リストを作りました。今はまだ彼らに見せていませんが、パソコンで打ち込んで妻と共有し、データをメモリーカードに保存しています。

あとは、資産の中の不動産の比率を高めないように気をつけて……なんて、偉そうなことを言っていますが、実は私にはマイナスの財産があるんです。

ご存じかもしれませんが、私は自他ともに認めるオタク。幼い頃から集めに集めたミニカー、お菓子のおまけ、コーラの空き缶などのコレクションは12万点を超えます。それらを展示するための「B宝館」という私設博物館を、私財を投じて所沢に建設したのです。

40代から50代にかけて、私はテレビ番組のレギュラーに新聞や雑誌の連載、大学の教授職も務め、1日20時間ぐらい働いていた。忙しすぎてお金を使う暇がなく、預金が増えていきました。総工費1億8000万円をキャッシュで払い、借金はありません。

「B宝館」でしか見られないお宝も多く、世界遺産クラスのコレクションだと自負していますが、鑑定士によると、コレクションの経済的な価値はなく(笑)、相続税の心配はないそう。それどころか、来館者が少ないので、採算的には大赤字。固定資産税や光熱費、スタッフの人件費などコストがかかり、年間数百万円のマイナスです。

私が働いているうちは収入で補塡できるけれど、収入が途絶えると困る。そこで、数年前に太陽光発電の設備を造り、売電の利益で固定資産税ぐらいは払える仕組みを作りました。できれば私の死後も引き継いでほしいので、同じオタク気質の次男に説得を試みているところです。