20代前半で銀座に「クラブ由美」を開店。以来、超一流クラブのオーナーとして政治家や財界人などの支持を得てきた伊藤由美ママ。40年間近くにわたり、数多くのお客様と接してきたママによれば、頑張っているのに結果が出ない人や不運を嘆く人には話し方、特に言葉の選び方と話の聞き方に特徴があるそうで――。
必要なのは「気遣い」と「気配り」
ほんの少しの気遣いと気配りで言葉は変わります。
たとえば仕事の現場でも
「言い訳するな、バカ」ではなく、「今回は仕方ない、次は頼むぞ」。
「そんな話、聞いてない」ではなく、「もう一度、報告してもらっていいか?」。
「だからお前はダメなんだよ」ではなく、「今、君ができることは何だと思う?」。
自分の感情だけで言葉を投げつけてしまうと反発されるようなことでも、相手への思いやりの気持ちを持った言い方ひとつで伝わり方が変わってくるものなのです。また、顧客や取引先などからのクレーム対応で揉めたりこじれたりするケースでも、最初の電話に応対した人間の言葉遣いに原因があることが少なくないそうです。
「ですからぁ、その件はわからないと何度も申し上げてるじゃないですか」
→「何、その言い方? バカにしてんのか!」
「はいはいはい。ええ、ええ」
→「真剣に聞く気があるのか!」
「はぁ? 本当にそうなんですか?」
→「ウソをついてるっていうのか!」
面倒くさい気持ち、適当にあしらいたい気持ち、疑っている気持ち――。そうした感情が言葉遣いににじみ出て、相手の気分を害してしまう。よく聞く話です。