ボニージャックスのメンバー。右端が西脇さん
1958年にデビューした人気コーラスグループ、「ボニージャックス」のトップ・テナー、西脇久夫さんが8月30日、肺がんのため死去した。享年85。西脇さんは1936年宮城県塩釜市生まれ。早稲田大学商学部在学中に歌手活動を開始した。愛称は「六さん」で、立ち位置は一番右。数年前から肺がんを患い手術を受けたが、「生涯現役」の宣言通り、亡くなる直前まで舞台に立ち、歌声をファンに届け続けてきた。

5000曲を超えるコーラスのレパートリー

「ボニージャックス」は早稲田大学グリークラブ出身。「早稲田の四人組」としてラジオ番組に出演したことがきっかけで活動を開始した。コーラスのレパートリーは5000曲を超え、「ちいさい秋見つけた」「手のひらを太陽に」「パジャマでおじゃま」などの代表曲があり、現在でも『NHK みんなのうた』の最多歌唱を誇る。

「日曜日は♪」で始まる「♪テュリャテュリャ…」でおなじみのロシア民謡「一週間」も、ボニージャックスが歌ったことで多くの人に知られることになった。

近年では、「後継者としてすべてのコーラス譜を託す」と公言した5人組コーラスグループの「ベイビーブー」と共演することも多く、2016年にはボニージャックスとベイビーブーによる9名のユニット「ボニーさんとブー」を結成し、「じいじのシンデレラ」をリリースした。

また、「童謡100年」である2018年には、北原白秋ゆかりの地である小田原市より小田原童謡大使に任命されている。

ベイビーブーのメンバーとの集合写真。右から3番目が西脇さん〈写真:ベイビーブーさん〉