21世紀には、人間は不死を目指して真剣に努力する見込みが高い。(ユヴァル・ノア・ハラリ)
『ホモ・デウス』(ユヴァル・ノア・ハラリ・著/柴田裕之・訳/河出書房新社)

ハラリ氏の著書『ホモ・デウス』と不老不死

ユヴァル・ノア・ハラリ氏の著書『ホモ・デウス』(柴田裕之・訳 河出書房新社)を読んでいたら、気になる箇所がありました。不老不死に関係する箇所です。

〈現代科学の最重要事業は死を打ち負かし、永遠の若さを人間に授けることである、と明言する科学者が、まだ少数派ながら増えている。その最たる例が、老年学者のオーブリー・デグレイと、博学の発明家レイ・カーツワイル(アメリカ国家技術賞の1999年の受賞者)だ。カーツワイルは2012年に、グーグルのエンジニアリング部門ディレクターに任命され、グーグルはその1年後、「死を解決すること」を使命として表明するキャリコという子会社を設立した。グーグルは2009年にも、やはり不死の実現を心から信じるビル・マリスを、投資ファンドのグーグル・ベンチャーズのCEOとして採用した。マリスは2015年1月のインタビューで、「500歳まで生きることは可能かと今日訊かれたら、私の答えはイエスです」と述べている。マリスは自分の勇ましい言葉を裏づけるように、(※生命科学の会社に)大金を注ぎ込んでいる〉(※筆者注)

驚きました。不老不死が実際にビジネスとして動き出しているのです。どのくらい先にそれが実現するのかというと、カーツワイルとデグレイは、2050年には、死を10年単位で先延ばしして行くことで不死に成功する可能性があると主張しているそうです。10年ごとに医療機関に行き、修復治療を受け、疾患を治してもらうだけでなく、劣化した組織を再生し、手や目や脳をアップグレードしてもらうことができるようになるというのです。

ぼくは2050年まで生きることはまずないと思いますが、あと30年後といえば、現在50〜60歳の人ならば可能かもしれません。健康な体と豊富な資金力があればの話ですが。