原田ひ香さん「萌音さんにとって、本を読む時間って何なのでしょう」/上白石萌音さん「現実逃避でもあり現実を知ることでもある。本にはすごく支えられています」(右)

原田 上白石さんは、「演じる」「歌う」に加えて今回「書く」という表現をなさったわけですが、いかがでしたか。

上白石 歌やお芝居は、誰かが書いてくださった言葉にこちらから近づいていく感じがあるんですが、書く時は自分しかいない。自分の未熟さばかり目について、でもそこから逃げられなくて、つらい時もありました。もちろん、書くこと自体は楽しいのですが。原田さんは書くことがつらくなった時期はなかったのでしょうか。

原田 締め切り目前に何も思いつかない時はきついんですよ。ただ、「きっとなんとかなる」「必ず思いつく」と、どこかで自分を信じているところもあります。それでもっているのかもしれませんね。(笑)

上白石 信じることが大切なんですね。私は今回本を書かせていただいて、日本語ってこんなにきれいなのかと改めて気づきました。若者言葉も楽しいけれど、日本語の美しさを大切にしたいです。

原田 エッセイでも、負の言葉、人を傷つける言葉の氾濫について書かれていましたね。

上白石 だから、いい言葉をたくさん摂取したいです。負のパワーの言葉が見えなくなるくらい、美しい言葉で世界を埋め尽くせたらいいのにと思います。

原田 おもしろい小説やエッセイがたくさん生み出され、そしてそれを読むことで言葉の世界が少しずつでも豊かになっていったらいいですね。