原田 帰国が1年遅れていたら、まったく違う展開だったかもしれませんね。
上白石 はい。それでお仕事を始めて、中学までは鹿児島から東京に通っていたのですが、高校入学を機に上京しました。地元が大好きだったので、思えばこれも大きな決断でした。
原田 大学にも進学され、学校生活を大事にしながらの芸能活動はとってもバランスがとれている印象を受けます。普通であることは意識しているのですか。
上白石 ごく普通の人物を演じることが多いですから。ご飯を食べて、人と話して、お風呂に入って寝る。普通の感覚が何よりも大切だと思っています。
いい言葉をたくさん摂取したい
原田 萌音さんにとって、本を読む時間って何なのでしょう。
上白石 現実逃避でもあり現実を知ることでもある。本にはすごく支えられています。原田さんは作家の視点でお読みになるのですか?
原田 どうして自分で思いつかなかったんだろう、なんて思いながら読むこともあります。作家同士ってみなさんが思っているよりも交流があって、お互いによく読んでいるんです。大先輩に「読んだよ」と声をかけていただいて、嬉しいけど恥ずかしくて青ざめることも。
上白石 わかります。憧れの先輩と共演させていただいて、「観ましたよ」なんて言われるともう、「すみません……」という気持ちに。(笑)