イラスト:おおの麻里
耳が聞こえづらくなった、耳が詰まっているような気がする......。そんな違和感を覚えたことはありませんか? 放っておくと、いつのまにか難聴になってしまうことも。いつまでも健やかな聴力を保つため、日々できることを伝授します。

50代以降は高音域から聞こえづらくなる

耳の聞こえづらさ、いわゆる「難聴」は、どのようにして起こるのでしょう。はぎの耳鼻咽喉科の萩野仁志先生は、次のように話します。

「音は、まず振動として外耳から入り、中耳を通ってその奥の内耳へと伝達します。そこで振動が電気信号に変換されて脳に伝わり、音として聞き取る。しかし、その過程のどこかに問題が生じると、聞こえが悪くなるのです」(萩野先生。以下同)

難聴には主に、外耳から中耳にかけての障害や機能低下が原因で起こる「伝音性難聴」と、内耳や聴神経の障害、または機能低下により起こる「感音性難聴」があります。

「とくに50代以降に多くみられるのが、感音性難聴。内耳の奥にある蝸牛の機能が加齢により低下し、高音域から聞こえづらくなるのです。老化が原因なので機能を完全に回復することはむずかしく、補聴器の使用などで聞こえを改善することが必要に。耳の形や聞こえ方は人それぞれですから、補聴器を選ぶ際は専門医とよく相談しましょう」