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病気や自然災害、家庭のトラブル。困ったときに救いの手を差し伸べてくれるのは、心を許した友人か、家族か──。もしかしたら、まったく予想もしなかった人かもしれません。4人目の光代さん(仮名)は10年前にある理由で親友と疎遠になってしまいましたが……(取材・文=武香織)

湧き出てくる嫉妬心に、耐えられなくなった

光代さん(52歳、仮名)が、隣町に住む高校時代からの親友・美里さんとの連絡を絶ったのは、40歳を迎えたばかりの頃だった。

夫の酒癖が理由で離婚したとはいえ、2人の子どもと幸せそうに暮らす美里さん。その一方で、3年にわたる不妊治療の甲斐なく、子どもに恵まれなかった光代さん。美里さんが「子ども」と口にするたび湧き出てくる嫉妬心に、光代さんは耐えられなくなったのだ。

「美里は私に気遣い、極力子どもの話題を避けてくれていた。なのに……私の器が小さすぎたんです。彼女からの電話やメールは完全に無視。しばらくして分厚い手紙が届きましたが、封も切らずに捨ててしまった。当然、彼女からの連絡も途絶えました」

そんな絶縁状態に終止符が打たれたのは、一昨年の暮れ、夫の不倫発覚がきっかけだった。

知人から「ご主人が女性と腕を組んで歩いていた」と聞かされた光代さんが半信半疑で夫に確かめると、夫は事実と認めただけでなく、「交際4年目になる大切な存在」とまでサラリと明かしたのだ。

頭が真っ白になった光代さんは、数日分の着替えをボストンバッグに放り込み、家を飛び出した。夜の街を歩き疲れてベンチに座ると、携帯電話のアドレス帳から一晩だけでも頼れる人を探すことに。

しかし、専業主婦歴20年以上、44歳まで不妊治療に没頭していた光代さんには、仕事仲間もママ友もいなかった。数少ない大学時代の友人たちも既婚者なので、遠慮が先立つ。もちろん、両親に心配をかけたくないから実家へ帰るわけにもいかない。