イラスト:カワムラナツミ
無駄な出費は誰もが抑えたいもの。しかし倹約が行き過ぎると、身近な人々からの信頼を失いかねません。滋賀県に住む畑中朋子さん(仮名・33歳)の義理の妹は、懸賞マニアなだけでなく、徹底した合理主義のようで…

義理の両親の家では肉ばかりを狙う

義妹(夫の弟の妻)は懸賞マニアである。決してお金に困っているわけではない。彼女の父は有名企業で高い役職に就いていたし、彼女も義弟も揃って公務員だ。だから、これは彼女の性分なのだろう。雑誌の読者プレゼントにせっせと応募し、いろいろなものをゲットしているようだ。

そして自分の気に入らないプレゼントが当たると、誰かの誕生日や記念の贈り物として再利用。ありあわせのリボンや包装紙でラッピングしてあるのがなんとも貧乏臭く、自分で買ったものではないのがバレバレである。

しかも、勝手に親族中の名前を使って応募しているようだ。私のところに心当たりのない商品が届いた直後、義妹からLINEで「当選商品のセット、今度会うとき持ってきてくれますか?」と連絡があったこともある。

デパートのコスメカウンターで、サンプルをどっさりともらってきては自慢をすることも。何も買わずにサンプルだけもらって帰るというのは、相当勇気のいることだ。私など、売り場のビューティー・アドバイザーに一分の隙もない笑みを向けられると、ついその圧力に負けて、買うつもりのなかったものまで買ってしまう。単なる小心者かもしれないが、そのくらいが普通の感覚ではないだろうか。