母親の料理を毛嫌いする
10年ほど前、無農薬野菜を育てたくて始めた貸農園での野菜作りが今では生き甲斐だ。40坪あまりの農園で、ひとりでは食べきれないほどの作物が収穫できる。幼児連れの若いママさんから70代の民生委員の方まで、畑を介して人づきあいも広がった。余った野菜で作るゴーヤやキュウリの佃煮やミニトマトのピクルスを、パート勤務先で配るとこれがまた好評だ。
しかし、いちばん食べてもらいたい娘は、私の料理するものすべて「安心できない」と口にしない。娘が小さい時、私の手料理を食べておなかをこわしたことが一度でもあったか、と内心聞いてやりたい。聞けないけど。どうして私の料理を毛嫌いするようになったのだろう。
食べてくれなくても健康なら、文句は言わない。だが娘は、冷え性やうつ病、不安神経症、腰痛などいつも不調を抱えている。3ヵ月前も過呼吸で夫が救急車を呼んだという。83歳の私より60歳の娘のほうが不健康ではないか。
ずいぶん昔のこととなってしまったが、私と暮らしていた18歳までの娘は病気らしい病気もせず、明るく素直な子だった。成績もよく、親に心配をかけなかったのに。
就職した時は、少ない初月給の半分を娘から渡された。感動した私は、これは使わず預金しておこうと思ったが、爪に火をともすような貧困生活で、そのうえ下の息子の学費もかさみ、残せなかった。娘だって友だちづきあいや買いたいものがあっただろう。本当に済まなかったと、今でも後悔で胸が締めつけられる。
息子の金銭トラブルが娘の夫に筒抜け
今年の7月、息子がクレジットカードを使いすぎ、SOSをよこした。30万円あれば助けられるので、老後資金から引き出す。お金は準備したものの、50歳にもなる息子の今後が心配だ。このようなことを繰り返さないよう、息子にどう諭そうかと娘に相談のメールをしたところ、返事が届いた。
〈生きてる限り家族が邪魔をする。お金の問題を起こしては連絡してくる。夫にもバカにされ、悲しくて、恥ずかしい。死にたい〉
え~!! と私は驚いてしまった。なぜこんなことになるの?