悲しくて、また怒る
「でもさ」
「なに?」
「わたしは先輩の為や番組の為に怒ったりしていると思ってるの。自分の為にってこと、ほとんどなくて」
「うん」
「だけど、仕事でキレると、これはとても気をつけているんだけど、傷つけないようにと…だけど相手は傷つくこともあって。仕事だからいいんだが、いや、いいのかな。いや、やっぱりダメな気がするんだ」
「うん」
「傷つけようとして怒ることもある、これは正義感から」
「うん」
「だけど、先輩の為に怒ったとしても、別に頼まれたわけでもないし喜ばれるわけでもないし」
「まあな」
「だから結局、人の為にしたことが、誰にも感謝されないという」
「まあな」
「ああ、わたしは、一体なにをしているんだ、と悲しくて、また怒る」
「まあな」