「疲れるでしょ、怒ると」

「怒り」はわたしを支えてくれた。バカにされたり差別されたり無視されたり比較されたりなめられたり、そんなことは特に仕事がない時は頻繁にあったから、それをエネルギーに変えたんだと思う。

2005年頃は、仕事で怒り、打ち合わせでイライラし、プライベートの時間はほとんどなく、心落ち着く時間は仕事終わりの友人との夕飯と煙草タイムだった。

「青木さん、あんまり怒らんほうがいいよ」

日本髪に和服の青木さんとしめ縄の犬

ともだちゴリけん。

「怒ってないよ!」
「怒っとるよ!」

「ははは!ほんとだ」
「青木さん大丈夫?」

「大丈夫じゃないのよ、わたしは、もう相当前から大丈夫ではないのよ」
「疲れるでしょ、怒ると」

「疲れるよ、だけどさ。キレてなきゃ。だけどね、キレてくださいと言われても、そんな理由もなくキレられないのですよ、わたし!」
「キレてるよ、いま。上手にキレてる」

「ありがとう」
「いいよ、キレキャラ最高だろ」