手前はメインの“メカジキのグリルトラパーニ風。”「トラパーニ風」とは「アーモンドやグリーンオリーブ、フレッシュのトマトで仕上げるスタイル」のこと。右は“スパッカテッレモッツァレラとトマトソース。”マカロニを縦に割いたような形のショートパスタ

 

食べ飽きない味の底力

イタリア語の店名は直訳すると“太陽に憧れて”の意。店主の高橋健太シェフはこう語る。「イタリアへの憧れから現地で7年修業し、日本に戻りシェフになりたいと思っていたら『シュリシュリ』で任せてもらえた。そして今、念願叶って独立を果たすことができました」。憧れを追い続けてきた自分を振り返ってのネーミングなのだとか。

2018年の暮れ、外苑前にオープンしたこの「ブラマソーレ」では、高橋シェフの修業先・ボローニャやシチリア等を中心に、季節にあわせ、各地方の味を楽しませてくれる。これから汗ばむ季節にかけては、シチリアの味が楽しみだ。

前菜盛り合わせ。手前から時計回りに、タコとグレープフルーツとセロリのサラダ、モルタデッラソーセージ、ズッキーニのグリル。写真の料理は、すべて2600円のランチコースから。内容は日替わり

“イワシとウイキョウのカサレッチェ”や“燻製メカジキのカルパッチョ”などシチリアの味が豊富に並ぶなか、白眉はトマトソースパスタ。東京での修業先「ドンチッチョ」譲りのそれは、マイルドな甘みと優しいトマト感のバランスが絶妙。写真のパスタも、具はとろけるモッツァレラチーズのみ。シンプルながら、それだけで充分、余計なものは何もいらないと思わせる食べ飽きないおいしさだ。また、しっとりと焼き上げた“メカジキのグリルトラパーニ風”も、メカジキの底力を再発見させられる逸品だ。