【70代・80代以降】この先、何が起こる?
70代は、医療費や施設入所などでお金も入り用に。70歳を迎えたら資産の棚卸しをすることをすすめます。不動産や定期預金など資産を一覧にし、家族と相続の方針を話し合いましょう。遺言状の作成もこのときに。最近ではパソコンを使用した書面でも正式な遺言状と認められるようになりました。一度書いてみて、状況が変わったら書き換えるのがよいでしょう。
75歳を過ぎると、いよいよ後期高齢者。病気を発症する割合が上昇し、3人に1人が要介護認定に。「民間の介護保険に入っているから安心」という人がいますが、介護や認知症に関わる保険の適用条件は実態より厳しく、いざというとき「条件を満たさない」と支給されないことも多いのでご注意を。
80代になると、お金のことでできることはもうほとんどありません。認知症の有病率が約3割となり、85歳以上では半数超に。認知症で意思能力がないと判断されると、家族であっても預貯金の引き出しや保険の解約などの法律行為ができなくなります。認知症による資産凍結トラブルの対策について、家族と話し合いましょう。
私は相談者に必ず「どのような老後を送りたいか、人生においてどのようなことに価値を置きたいか」を考えていただきます。貯蓄額を目標にする人もいますが、「貯めて何をしたいですか?」と質問すると、答えられない人は多い。目的がはっきりしていなければ、いくら貯めても《死に金》です。ぜひ「老後を楽しむ」という視点からも、お金の使い方、遺し方を考えてください。