27年間続いた『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』が来春終了、というニュースが流れた上沼恵美子さん。仕事も人生も一段落の時期かと思いきや、長年「ネタ」であった夫との別居、ライフワークとして取り組んできた『快傑えみちゃんねる』の突然の終了と、コロナ下で大きな変化を経験することに。今、その心中に去来する思いとは──(構成=社納葉子 撮影=霜越春樹)
青春ドラマ、あれは嘘です
仕事では、コロナ以外にも衝撃的なことがありました。2020年7月、25年続いた私の冠番組『快傑えみちゃんねる』(関西テレビ)が突然、「降板」という形で終了したことです。理由も説明されませんでした。説明は受けてないけど、理由は知っています。でもここでは伏せておきましょう。
週刊誌は見ないようにしていましたが、ほかの番組のスタッフが記事を持って涙ながらに飛んできました。ほとんどがバッシング。構成にかかわっていた次男も一緒に標的になりました。お母ちゃんの番組で実力のない息子を使ったと。親バカだ、アホちゃうかという記事は、読むほうは面白いでしょう。でも事実は違います。
実は10年ほど前に番組としてしんどい時期がありました。「そろそろ終わるかな」という思いがあったんですが、その時に息子の意見で息を吹き返したという経緯があります。私もこの仕事をして約50年、人を見る目はあるつもりです。いいものはいい、ダメなものはダメと判断するし、言います。
もう終わったことですが、関西テレビさんのことは恨んでます。大嫌いです。『えみちゃんねる』が25年を突破した時に社長賞としてクリスタルのトロフィーをもらいましたが……こんなん言うてええんかな、はい、かち割りました。勝手口にパーン! と叩きつけて。ふだんはあまりネガティブな感情は出さないんですけど、これが私の感情なんです。