補償は厚くしたい、でも掛け金は抑えたい…(写真提供◎写真AC)
災害や事故、介護や相続など、人生には不測のトラブルや、避けられない困難が訪れます。とはいえ、気軽に聞ける弁護士や税理士が身近にいるとは限りません。専門的な知識を得ることで、冷静な判断で被害を減らしたり、計画的に備えたりすることができます。ジャーナリストとして長年さまざまな現場を取材しているファイナンシャルプランナーの鬼塚眞子さんに、暮らしに役立つ豆知識を聞きました。第6回は「医療保険の便利な使い方とは?」です。

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医療保険は本当に必要?

コロナ禍になって、ご自身が病気になった時の経済的な不安を今まで以上に強く感じ、医療保険の見直しを希望される方が多いとの声が保険現場から聞こえてきます。すでに医療保険に加入されている方は、見直しのポイントはどうすればいいのでしょう。最近のトレンドを紹介しながら考えていきたいと思います。

そもそも医療保険は必要でしょうか?かねてより、「高額療養費制度があるから、たいした出費にならない。不要ではないか」という論調は根強くありました。

高額療養費制度とは同一月(1日から月末まで)にかかった医療機関で支払った受診代、処方された薬代といった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(=自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。

ただし、入院時の食費代の一部負担や差額ベッド代、先進医療の技術料などは医療費に含まれません。