ホルモンを補ってイキイキと前向きに

閉経後の女性の体に起こるこうした不調や衰えを防ぐのに、最大の防御法となるのは、やはりホルモン補充療法(HRT)です。

特に骨密度の低下を防ぐのには効果的で、閉経後に何も行わないと、50~60歳には骨密度の数値がそれまでの2~3割ほど低下するのが一般的。ホルモン補充療法を行えば、骨密度が下げ止まるか、人によっては多少上がる場合もあります。

更年期が始まる40代からホルモン補充療法を開始すれば、血管の老化も予防できますし、脂質異常症を防ぐことも可能です。女性ホルモンが支えてくれている間は、女性は男性より心臓血管系の病気になる割合が少なく、婦人科系以外のがんになることも少ないのですから。

瞬時の判断力や詳細な記憶力が必要とされる仕事をしている方やストレスの多い生活を余儀なくされている方も、ホルモン補充療法が大きな助けになるでしょう。仕事や家事、介護にもイキイキと前向きに取り組む気持ちがよみがえります。

人生100年時代と言われる今、60代はまだまだ社会で活躍していかなければならない年齢。60代の私もホルモン補充療法を続けていますよ。

60代以降も続けていると乳がんになるリスクが高くなると言われています。ただ、ホルモン補充療法を受けていなくても、更年期以降はがんになるリスクは増えていくため、乳がんになる確率としてはほぼ変わりません。

自分のライフスタイルに必要だと思うなら、定期的にきちんと検診を受けながら続けていけばいい。信頼できる婦人科医と相談しながら行えば、安全と言えるでしょう。

 

【ホルモン補充療法のメリット】

女性ホルモンであるエストロゲンを内服薬やジェル剤等で補う治療です

●動脈硬化の予防
●動悸がおさまる
●骨粗しょう症の予防
●アルツハイマーの予防
……など

※乳がん・子宮体がん治療中の人は受けることができません。そのほかにも条件があるため、医師にまず相談を