運動は何にもまさる薬

女性ホルモンの助けを得られなくなった閉経後は、自分の体を守る鎧を準備してください。運動、食事、漢方、サプリメントなど、さまざまな力を借りて、健やかな体を維持するための自分の引き出しを増やしていくことが大切です。

血管や骨を守るために効果が大きいのは、骨の周りに筋肉をつけること。「エクササイズ・イズ・メディスン(運動は薬)」という言葉もあるように、運動することで血流がよくなれば動脈硬化を防ぎ、関節も強くなる。そして、筋肉はいくつになっても増やすことができます。

私の患者さんの中には、学生時代の体育の授業のトラウマからか、運動に苦手意識を持っている方が多いようです。でも、これからの運動は「楽しい、心地いい」と感じられるレベルのもので十分。

ひとつの習慣を3週間続けられたら、その習慣は一生続けられると言われています。まずは3週間継続することを目標に、ストレッチでも朝30分程度のウォーキングでも、軽いエクササイズを始めましょう。

良い生活習慣を身につけることは、60代からでも70代からでも遅くない。早くに始めるに越したことはないけれど、気がついた時からでも間に合います。現在90歳で国内最高齢フィットネスインストラクターの瀧島未香(タキミカ)さんも、筋トレをスタートしたのは60代からだそうですよ。

ひと昔前、80代の女性といえば寝たきり状態の人が多かったものですが、最近では違います。足腰がしっかりして、全身の代謝がよく、脳の機能も衰えていなければ、80代でも90代でも不便なく生活できるのです。

いくつになっても健康な体で過ごせるように、人生後半を迎えた今こそ、女性ホルモンが及ぼす影響を学び、自分の体とライフスタイルを見直していきましょう。