(イラスト:若林夏 写真撮影:本社写真部)
2022年には、公的年金制度の改正など、〈アラウンド年金世代〉にとって気になる話題が控えています。コロナによって滞った経済状況や雇用制度の改正により、私たちの家計はどのような影響を受けるのでしょうか(構成=山田真理 イラスト=若林夏)

値上がりラッシュがコロナ・ショックに追い打ち

日本はもとより世界の経済に深刻な影響を与えた「コロナ・ショック」。始まりから約2年が過ぎた現在、日本の社会では「富の二極化」が進んでいます。IT産業を中心に史上最高益をあげる企業がある一方で、飲食業や観光業はまだまだ苦しい状況。公的な休業補償や資金援助でなんとか持ちこたえていた中小・零細企業が、力尽きて倒産するケースも目立ちます。

雇用の面でも、派遣や契約社員など非正規労働の人が雇い止めで職を失ったり、パートやアルバイトで働いていた人が職場の休業、営業時間の短縮、人員削減などによって働き口が減ったまま戻らないという状況が続いています。

また正社員として働く人でも、給与が上がったのはごく一部で、多くの人は横這い、あるいは残業代やボーナスの減少で手取り額は下がりぎみ。そこから税金や社会保険料を引かれれば、以前より生活が「苦しくなった」と感じる人が増えるのも当然でしょう。

この状況に追い打ちをかけるのが、2022年にかけて続々と控える物やサービスの値上がりラッシュです。その背景にあるのは、経済成長の続くインドやコロナ禍からいち早く脱却した中国での需要拡大で、さまざまな原材料の国際価格が上昇していること。