左から小田部雄次さん(写真提供:読売新聞社)辛酸なめ子さん(撮影:本社写真部)山下晋司さん(撮影:藤澤靖子)
いまだ議論が続く皇位継承問題。愛子さま、悠仁さまの将来はどうなるのでしょうか。歴史学者の小田部雄次さん、エッセイストの辛酸なめ子さん、皇室ジャーナリストの山下晋司さんが今の皇室をめぐるさまざまな課題について語り合います(構成=篠藤ゆり)

眞子さんの結婚が明らかにしたこと 

辛酸 10月26日に行われた、秋篠宮家の長女眞子さんと小室圭さんの結婚記者会見を見て、びっくりしました。それまで、小室さんは《眞子さまのフィアンセ》という立場で上り詰めようとしているのかなと思っていたんですけど、実は眞子さんがけっこう小室さんをプロデュースしていらした。小室さんがニューヨークに行ったのも、眞子さんが海外に拠点を作ってほしいとお願いしていた、というのは驚きでした。お姫様として、生まれた時からかしずかれる皇室の女性を羨ましく思う気持ちが私にはあったんですけど、そうまでして飛び出したいほど重圧のある環境なのだと思い知らされた気がします。

2021年10月26日、結婚の記者会見を行った秋篠宮家の長女眞子さんと小室圭さん。アメリカ・ニューヨークで新婚生活をスタートさせた(写真提供:読売新聞社)

山下 結婚によって一般国民となった後は、皇室の延長上での生活はしたくない、という思いが強かったんでしょうね。だからこそ海外での生活を求めた。皇族の「公」と「私」の問題において、今回の結婚はエポックメイキングなものになると私は見ています。公の部分をできるだけ排除して、私人として結婚するという宣言でもあったのでしょう。

小田部 僕は眞子さんが子どもの頃からファンでしてね。おしとやかで、いかにも深窓の令嬢というイメージを持っていたけれど、実はしっかり者だった(笑)。皇族として30年生きてこられたわけですから、ご発言やその存在感による影響力は大きい。これからはもう少し、そのことを自覚されたほうがいい気がしますね。一般人になるとはいえカルチャーギャップはあるだろうし、元皇族という立場を利用しようと近づいてくる人もいるでしょうから。