すすめてくれるのはあくまで“よかれ”と思ってのこと。よくわかっています。でも不調を抱える身にとっては、その善意への対応ほどやっかいなものはありません。患者側のホンネは…?

●電話越しに「気」を送ってもらったが

乳がん手術はしたものの、術後の抗がん剤治療は絶対に嫌だった。なるべく自然に再発を防ごうと、まずは自らの体質改善に取りかかる。食事は玄米菜食、水分はすべて水素水、ビワの葉で温熱療法……と、できる限りのことは試してみた。

再発・転移がわかったのは、そんな生活もすっかり身についたころ。何がいけなかったのだろうと自信をなくしかけていた私に、友人が「気功」の先生を紹介してくれた。聞くところによれば、選ばれた人にしか施術しないという先生で、治療費も1回2万円と高額だ。

友人の「必ず結果が出るから」と、半ば脅迫に近い勧誘を受けて入会した。そうして週1回は気功師のもとへ通い、行けないときは電話越しに「気」を送ってもらう。しかし、体調は日に日に悪化していくように感じられた。

あるとき、「体調が急変したときはどうしたらよいのでしょう?」と一緒に通っていた友人が尋ねたところ、先生から「そんなときは救急車を呼んでください!」とまさかの答えが返ってきた。その言葉で私たちはすっかり目が覚め、私は主治医のもとへ帰ることにしたのだった。(パート・55歳)

 

●義妹の親切に頭が痛い

会社をリタイアした夫が不眠症になった。眠れず、頭痛があり、心療内科に通院しても、すぐには改善しなかった。そんな夫の様子をさりげなく義妹に話したら、不眠に効くというサプリや漢方薬などを大量に買い込んでは見舞いに来るようになった。

私は「サプリを飲むのは主治医に相談してから」と夫に助言したのだが、かわいい妹が心配してくれるのがうれしいようで、夫はすすめられたサプリや漢方薬を飲みはじめた。

服用してしばらくするうちに、夫はだんだん元気がなくなってしまった。主治医に打ち明けると、「すぐにサプリの服用を中止してください!」と怒られたという。どうやらサプリには、もともと処方されている薬の効き目を強くする成分が入っていたようだ。

それでも妹に嫌われたくない夫は、サプリの断り役を私に託した。義妹はキレ気味に「余計なことをしてすみませんでした!」と言って、二度と見舞いに来なくなってしまった。(自営業・63歳)