●自称セラピストの腕は?
更年期障害で体調がすぐれない、とこぼしたところ、自称スピリチュアルセラピストの友人が相談に乗ってくれた。ハワイでスピリチュアルケアの研修を積んで、セラピストの資格を取得したので自信を持っているらしい。
私の不調をなんとか治そうと一所懸命だ。愚痴を聞いてくれるのはいいのだが、手作りのパワーストーンのブレスレットやアロマキャンドル、ローズ石鹼、ハーブティーなどを次々にプレゼントされるのは、正直気が重かった。
あげくに、私を横に寝かせて「気」を送ったり、マッサージをしたりする。彼女との関係を悪化させたくない私は、その都度、「なんだか気分が良くなった~」とか「効いてるみたい、ありがとう」などと言うのがお決まりになっている。彼女との会話は楽しいのだが、効き目はまったく感じられないのが心苦しい。(主婦・49歳)
●やさしい気遣いが効いた!?
とうとうがんになってしまった。いろんな人が次々に自分がいいと思ったものを押しつけてくる。それでなくても気落ちしているのに、根拠もなく「絶対に効く」なんて言われたら、こちらも「絶対にイヤ!」とかたくなになってしまう。
抗がん剤治療も終わって日常生活が戻ってきた頃、知人が「持っているだけでいい。お守りがわりと思って」とプロポリスの小瓶を持ってきてくれた。治療は終わったものの、正直心のどこかで「再発したら……」と不安を感じていたので、思わず受け取って飲んでみた。効いたかどうかはわからないが、今のところ体調は良く、再発もしていないようだ。
調べてみたら、そのプロポリスはけっこう高額なものだとわかった。治療の最中に押しつけがましくされるのは願い下げだが、さりげないすすめ方だと素直に受け入れられる。こういうやさしいフォローならありがたい。(主婦・62歳)