むし歯を進行させる食事とは

まず気をつけたいのは食生活。人々がむし歯や歯周病に悩まされるようになったのは、加工食品や糖質を多く摂取するようになったからといわれます。昔に比べて軟らかい食物が多く、咀嚼回数も減少しているのは事実。お菓子や炭水化物を一切食べないようにするのは難しいでしょうが、むし歯菌は糖質をエサにするので、糖質全般の摂取を極力控えるのが望ましいのです。

むし歯菌が糖を吸収すると数分で酸が作られ、口腔内が酸性に傾きます。すると歯から唾液中にミネラルが溶け出し、ミクロの世界ではいったんむし歯の状態に(脱灰)。ところが唾液の作用で酸が中和されてくると、ミネラルが再び歯に戻り、むし歯が修復されます(再石灰化)。口の中では飲食のたびにこれが繰り返されているのです。出ていくミネラルの量と戻る量が同じであればむし歯は進行しませんが、飲食回数や糖分の摂取量が多いと、失われる量が過剰になり、むし歯として進行します。

食事は間食を控え、栄養バランスを考えながら規則正しく3食摂る。そして唾液がたくさん出るように食物繊維を多く含み咀嚼回数が増える食材を意識して食べること。ただし、果物は果糖が多いので控えめに。健康のために黒酢を飲む人もいますが、歯のエナメル質に影響を及ぼすので、ストローを使って飲みましょう。

このように、食生活を変えるだけでも、口内環境はかなり改善されます。とはいえ、口の中の細菌をすべて除去することは不可能。もしできたとしても歯を守る善玉菌まで殺してしまうことになるため、歯にいいことではありません。

口の中には「むし歯菌や歯周病菌などの悪玉菌」「歯を守る善玉菌」「どちらか優勢なほうに加勢する日和見菌」の3種類が存在しています。大切なのはこのバランスで、「悪玉菌」1:「善玉菌」2:「日和見菌」7の比率が望ましいのですが、日頃からケアを行い、食生活を改善することでバランスを整えることができるはずです。

続いて気をつけてほしいのは呼吸です。口呼吸をしていると、口の中が乾いて唾液の分泌量が減ることに。唾液には歯や歯ぐきを守り、むし歯菌や歯周病菌などの増殖を抑える働きがあるだけでなく、口臭予防にも。唾液の分泌を保つためにも、鼻呼吸を心がけましょう。特に今のように長時間マスクをする生活が続くと、マスクの中では無意識に口呼吸になりがち。またマスクで口の中が保温され、細菌が増えやすい環境になります。

さらに人との会話が減っていることも口内環境にはマイナス。口周りや舌の筋肉の使用頻度が減り、口腔機能の衰えにつながります。

時節柄、会話の頻度を増やすのは難しいので、私は「waiwaiスマイル体操」をおすすめしています。5分でできるこの運動を日課にすると、口呼吸改善、唾液分泌力向上、咀嚼機能向上といった口周りのことだけでなく、小顔効果、老け顔防止、ほうれい線対策、脳血流改善などにもつながります。私も肌がすべすべになり、首周りもすっきりしました。

また、唾液の分泌を促すには、耳たぶと頬のくぼみ部分の間にある耳下腺を揉むようにマッサージするのもいいでしょう。