「大昔、漫画家の赤塚不二夫さんが宗匠という設定で、ふざける人たちばっかり集まる句会って時に呼ばれたのが最初ですね」(南さん)

句会は楽しい遊びの場

小林 ではとりあえず、句会の形式ということで。本日の1つめのお題は「春浅し」です。

 じゃあ自分の名前は書かず、句を書いて、編集の方に清書してもらいましょう。

小林 (スマホを見ながら)どうしようかなぁ。

 候補がいくつもある?

小林 いやいや、候補というか……いざとなると迷いますね。

 (小さなノートをめくりながら)これになんでもかんでも、俳句も書いてる。

小林 (紙を編集者に渡し)はい、お願いします。楽しみですね。前にロケ現場で待ち時間がすごく長い時があって、「じゃあ、句会やろうか」と、ノートとかをちぎってスタイリストさんやヘアメイクさんに渡して、強制的に句会をしたことがありました。みんな初めてで「え~っ」となりましたけど、「面白かった」と言ってもらえて嬉しかったです。

宇多 おふたりが俳句を始めたきっかけは?

小林 私はまず落語が好きになって。入船亭扇橋さんや柳家小三治さん、小沢昭一さんらがやってらした「東京やなぎ句会」の様子をまとめた本を読んで、「おぉ、句会ってこんなに遊んでもいいんだ。これなら私たちにもできそう」と思ったんです。俳句よりも、まず句会をやってみようと面白がって始めて、気づいたら10年たちました。

 大昔、漫画家の赤塚不二夫さんが宗匠という設定で、ふざける人たちばっかり集まる句会って時に呼ばれたのが最初ですね。嵐山光三郎さんやサックス奏者の坂田明さん、漫画家の高信太郎さん、作家になる前の伊集院静さんとか。向島百花園で、場所はいかにもなんですが、メチャクチャな句会。30年くらい前かなぁ。

その後、嵐山さんと亡くなった安西水丸さんと3人で、俳句を4句ずつ詠んで俳画カレンダーをつくるってのを何年かやって。最近はイラストレーター仲間でリモート句会をやっています。