ドラマ『緊急取調室』や『Doctor-X 外科医・大門未知子』に出演、第一線で活躍を続ける女優の三田佳子さん。代表作に『やまとなでしこ』『ハケンの品格』などがある脚本家の中園ミホさん。お二人が語る人生の山や谷を乗り越え、「災い転じて福となす」極意とは(構成=山田真理 撮影=天日恵美子)
悪女を演じるのは面白い
中園 お久しぶりです。
三田 5年ぶりかしら? この歳になると「もう30年、50年会っていないわ」なんてこともままあるから、よくお会いしているほうかも。(笑)
中園 初めてお会いしたのは、作家の林真理子さんがリーダーを務めるボランティア団体の活動で、地方のイベントに向かうバスの車内でしたね。活動の間に三田さんの気さくで自然体な人柄と、少女のような可憐さにふれて、ますますファンになりました。それで、「ぜひお仕事を」と実現したのが、『ドクターX』第2シリーズの馬淵一代役だったんです。
三田 可憐だと思ってくださったわりには、〈東帝大の女帝〉と呼ばれる強烈なキャラクターでしたけど(笑)。しかもピンヒールを履ける年齢じゃないのに、脚本に「9センチヒールを履くために足の手術を受ける」とあったから頑張って履いて、病院の廊下をカッカッカッ、って。
中園 杖を投げて病院の窓ガラスを割るという、現実ではありえない演出も。(笑)
三田 でも、悪役を演じるのは面白いから好きなんです。
中園 そう言ってくださって、ほっとしました。